読書記録『司書教諭の実務マニュアル シオヤ先生の仕事術』

司書教諭の実務マニュアル シオヤ先生の仕事術

司書教諭の実務マニュアル シオヤ先生の仕事術

タイトル通り司書教諭の実務マニュアル。司書教諭として働くことになった「あき先生」に、「シオヤ先生」がその仕事について解説していくスタイルとなっている。
4章構成となっており、第1章は司書教諭の12か月と題して1年の流れを見ていく。第2章は環境整備と題して「授業・調べる」のために使える環境の整備や図書館資料の使い方の解説を行い、第3章は学習指導要領の解説と国語や他教科での司書教諭の関わりについて述べ、並行読書の充実の例を紹介していく。4章には関係法規や基準が掲載されている。

非常に短い内容だが、その中に司書教諭の仕事のエッセンスが詰め込まれている。学校司書主体の学校図書館実務本は多いが、比較して司書教諭主体となると数が少ない印象なので、こういう本はもっとどんどん出ていいと思った。授業に関わる教員の視点が強いのが特徴で、本書で解説されている「並行読書」という言葉も他書ではあまり見られないように思う。百科事典の活用方法、ビブリオバトル、リテラチャーサークルなどの読書指導関係手法の解説も、短いながらきちんと要点を押さえてあるのいい。
おそらく紙面の都合なのだろう、(1学期、というか4月に記述が集中しており)1章が駆け足になってしまっているのが気になるところ。

2〜3章の詳細を見る限り、著者の司書教諭時代のパワフルさが想像できた。授業軽減などが進んで、司書教諭が学校図書館に関われる時間が増え、この本に書かれているような実践を行える司書教諭がいたら、学校教育は大きく変わっていくだろう。もちろん、これから司書教諭として力を発揮したい人は早速その手腕を発揮してくれると思っているが。